森の取り組み

「びわこ地球市民の森」づくりについて

  私たちは、地球という環境の中で生き、生かされています。 しかし、その地球は温暖化の進行で急激に環境が変化し、人間をはじめ多くの生物が将来、その生存さえもおびやかされかねない状況になっています。 このため、地球温暖化の大きな原因である二酸化炭素の排出を抑制することが国際的な課題となっており、二酸化炭素を吸収する緑の保護と再生は世界各地で取り組まれています。

  滋賀県においても、このような緑を再生するための事業に野洲川の廃川敷地を活用して県民の皆様と共に取り組むことにしました。 
 そして、県民はもとより、下流府県の人々や、できれば海外の人々にも参加してもらえるような息の長い植樹活動として展開してきました。


   

森づくりのスタート

びわこ地球市民の森では、森づくりのスタート以来、次の宣言を基に、毎年植樹や育樹を進めています。

「びわこ地球市民の森」づくり宣言
      わたしたち人間は、青くかけがいのない、たった一つの地球という自然な中で、植物や他の動物たちと
         同じように地球の住み人として生きています。
      何千年も前からわたしたちの先祖は、自然の恵みの中で生かされていることを知り、そして自然に感謝
    する 心を持っていました。  
      今、わたしたちの生活は大変豊かになりましたが、その反面、いつしかその感謝の心を失い、 地球の
    温暖化、 野生生物や森の減少など、地球上にさまざまな環境問題を引き起こしています。
      森は天地の滋養をうけ、水をつくり、緑を育て、わたしたち人間に生きる糧を与えてくれています。そして、
    鳥や虫や小動物が棲み、互いに影響しあいながら自然をつくり、一つの小宇宙を形成しています。

    その大切な森が失われつつあるのです。
     わたしたちは、このままではやがて自分たちの未来をも失ってしまうことに気づきました。今こそ反省を込
    めて、自ら森をつくる努力をし、かけがえのない地球をしっかりと未来に引き継がなければなりません。
     わたしたち滋賀県民は、琵琶湖淀川流域をはじめ、広く全国や海外を含めた多くの人々とともに、自然
    の恵みに感謝しながら、未来の子どもたちのために木を植えることを始めます。
     わたしたちが生きているうちには、完成した森の姿は見られないかもしれませんが、その志は、この地に
    永く植えられることになるでしょう。
     「びわこ地球市民の森」をつくり
育て、次の世代に引き継いでいくことを、21世紀最初の「みどりの日」に、
    世界に向かって宣言します。
                                                             2001.4.29

◆ゾーニング

○出会いのゾーン(エントランス・シンボルエリア)→多様な森へのいざない、人と森との出会いの場

○里の森ゾーン(森の環境学習フィールド)→四季の花や緑、木の実のある森の観察フィールド

○ふれあいゾーン(水辺の環境学習フィールド)→流れ、池、湿地と森の生態観察ゾーン

○つどいのゾーン(集いと交流の広場)→多彩な遊び、活動のできる集いと交流の広場

○ふるさとゾーン(現況保全のエリア)→かつての野洲川の河畔林(河原などに自生していた高木の
            林)が残されたエリア

 21世紀最初の「みどりの日」となった平成13年(2001)4月29日に「滋賀県植樹のつどい」を実施し、森づくりのスタートが切られました。
 県内外から約3,500人が参加し、高木苗木8,000本あまりが植えられました。

国土交通省資料よ】

これまでの森づくり

「びわこ地球市民の森」づくり宣言

 「びわこ地球市民の森」は、平成13年(2001)4月に約3,500人の参加者により、高木苗木約8,000本が植えられました。 その後、毎年植樹され、平成25年11月をもって高木苗木の植樹活動は終了しました。 これまで 45,994人により、高木苗木16,0967本が植樹されています。
 なお、平成26年11月に行われた「つどい2014」では、低木苗木、山野草が植えられ、四季折々に花を咲かせています。


廃川敷地に苗木の植樹から森づくりがスタート

3,500人の手で8,000本の苗木植栽が完了
   びわこ地球市民の森 〜つどいゾーン〜

◇森の総面積:42.5ha   ◇延長:3.2km
◇幅:100〜200m     ◇標高差:4.1m

◆県民との協働による「森づくり」のコンセプト(基本理念)

この森は、次のようなコンセプトでつくっています。

    1)県民をはじめ、企業・団体・県外など、多くの皆さんとの協働による森づくり
    2)昆虫や野鳥など様々な生きものが共存できる豊かな森(ビオトープ)の創造
    3)いろいろな楽しみ方ができる照葉樹・落葉樹・混交の森、そして広々とした原っぱ

この森は、野洲川の廃川である細長い敷地を利用してつくることもあって、いくつかのゾーンに分けて、それぞれのゾーンの特徴を次のように設定しています。

これからの森づくり

 平成13年(2001)春の植樹活動のスタートから下草刈りなどの育樹を始め、3、4年後には木々の生長や樹林密度などを考えて、サポーターやボランティアの皆さんと共に、間伐や枝打ちも始めました。 平成27年度現在で、最初に植えた木は14年を経て、樹齢も16年になり、12mを超える木も出てきました。 今後はさらに間伐などの育樹活動を進めながら、低木・山野草などの植栽もして、「豊かな森」をつくっていきます。

【森の概要】 森の総面積:42.5ha   延長:3.2km   幅:100〜200m